フリーランスのマイナンバー制度適用範囲

フリーコンサルタントの節税や保険

2018年8月29日

2016年からマイナンバーの導入が、本格的にスタートしました。
フリーランスは確定申告や取引先との受発注にマイナンバーが必要になります。今回は、マイナンバーの取扱いにあたり、取引の際に注意したいポイントを解説します。

マイナンバーと確定申告

マイナンバーは、「確定申告などの税金」「年金や雇用保険の社会保障」「被災者支援などの災害対策」の3つの行政分野で利用されることが決まっています。

個人と法人にそれぞれ番号が割り振られますが、もちろん、法人でないフリーランスは、12桁の個人番号を使います。仕事上で屋号を使っていても、法人でなければ個人番号が適用となります。
確定申告については2016年分の申告からマイナンバーの記載が必要となっています。

マイナンバー,個人事業主

仕事を受ける際、マイナンバーが必要?個人番号カードは?

フリーコンサルタントが仕事を受ける場合、取引先からマイナンバーの提出を求められることがあります。
個人に仕事を依頼した取引先は、誰にいくらの報酬を支払い、いくら源泉徴収したのかを示す支払い調書を作成する義務があります。
その支払調書にフリーランスの個人番号を記載しなければならないのです。
2017年1月に提出する支払調書からマイナンバーの記載が必要になります。

個人番号の提出を求められる際には、フリーランスはあわせて本人確認を受けなければなりません。
つまり、「マイナンバーの確認」と「本人確認」を一緒に行うことになります。
通知カードしかない場合は、通知カードでマイナンバーを確認し、身分証明書も提示して一緒に本人確認をしてもらうことになります。
身分証明書としては、運転免許証、パスポート、マイナンバーの入った住民票などが必要になります。

フリーコンサルタントが外注先を使った場合、マイナンバー取得は必要ない

通常、法人や個人事業主が一定額以上の報酬を支払った場合、源泉徴収をしなければなりません。
しかし例外として、下記に当てはまる場合には、個人事業主に源泉徴収義務はないと定められています。

(1)給与や退職金を支払っているが、その相手が常に2人以下のお手伝いさんなどのような家事使用人だけの場合
(2)弁護士報酬などの報酬・料金だけを支払っており、給与や退職金の支払がない場合(例えば、確定申告のために税理士に報酬を支払っても、源泉徴収をする必要はありません。)

そのため、人を雇っていないフリーランスには、源泉徴収をする義務はなく、支払調書を作成する必要もないので、外注先の個人番号を取得する必要はありません。

マイナンバー,法人

マイナンバーの導入で、法人取引が有利に?

企業がフリーランスに一定金額以上の報酬を支払った場合、支払調書を作成して税務署などに提出しなければなりません。

この時、その企業はフリーランスに個人番号の提出を求めたうえで、本人確認を行ない、さらにそのマイナンバーが漏洩しないように、厳重に管理しなければなりません。企業にとっては、これにかかる手間やコストの負担はかなりのものになります。

ところが、取引相手がフリーランスではなく会社ですと、法人番号はネットで公開されており、番号の提出を求めることや本人確認をする必要もありません。
公開されている番号ですから、厳重に管理する必要もありません。

そのため、あえて面倒なフリーランスではなく、個人番号記入の必要のない法人に仕事を依頼するケースが増えることも考えられます。また、企業から法人化を求められることがあるかもしれませんので、その際は法人化を検討するのもよいでしょう。

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