PMOに必要なスキル7選!職種別のスキルセットやキャリアプランも紹介

フリーコンサルタントのキャリア

2024年7月23日

IT業界の市場規模が拡大を続けるなかで、プロジェクトを成功へ導くPMOの必要性が高まっています。PMOに必要なスキルをあらためて確認し、今後のキャリア形成に役立てたい方も多いのではないでしょうか。

今回は、PMOの役割を紹介したうえで、PMOに必要なスキル7選を詳しく解説します。併せて、職種別に求められるスキルセットや、キャリアプランなども紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

  1. PMOがプロジェクトで果たす役割とは?
  2. PMOに必要なスキル7選
  3. 【職種別】PMOに求められるスキルセット
  4. PMOの将来性が高い理由
  5. PMOに向いている人にはどのような特徴がある?
  6. PMOのスキルを高めるおすすめの資格3選
  7. PMOのスキルセットを活かしたキャリアプラン
  8. フリーランスPMOの案件探しはプロフェッショナルハブをご活用ください!
  9. まとめ

PMOがプロジェクトで果たす役割とは?

PMOは、「Project Management Office」の略称であり、一般的にプロジェクトをマネジメントする部門や、業務担当者を指す言葉です。プロジェクトにおいて、PMOは進捗管理や品質管理、人材・環境調整などの役割を果たします。

特に、大規模なシステム開発の場合、プロジェクトの内容も複雑化しやすくなります。プロジェクトにおける納期・品質・コストのいずれの領域でも計画策定の重要性が増しているなか、PMOを投入すれば、プロジェクトの円滑な進行に向けて働きかけることが可能です。

◇PMとは役割が違う

PM(プロジェクトマネージャー)は、チームの牽引役として意思決定を下しながら、プロジェクトをまとめるリーダーの役割を担います。一方、PMOの役割は、PMがスムーズな意思決定を行なえるように後方支援することにあります。

大規模なプロジェクトになるほどPMのマネジメント業務は複雑化するため、進捗やコスト、課題に関する管理業務などをPMOが行なうことで、業務負担の軽減につながるのです。

プロジェクトの規模や性質を見極めたうえでPMOを的確に配置すれば、PMのパフォーマンスを最大化させられ、プロジェクトの成功に貢献できるでしょう。

PMOに必要なスキル7選

ここからは、PMOに必要な代表的なスキルを7つ紹介します。PMO人材としての競争力を高めるために効果的なスキルも含まれているので、ぜひ参考にしてみてください。

◇1.マネジメントスキル

PMOは、プロジェクト計画の立案や人員配置などの業務に携わるため、以下のようなマネジメントスキルが求められます。

● リスクマネジメントスキル:リスクを予測して事前に対処するスキル
● タイムマネジメントスキル:プロジェクトの納期を遵守するスキル

また、大規模プロジェクトにおいて役立つマネジメントスキルを持っているPMO人材は、市場価値も高まります。大規模プロジェクトの明確な定義はないものの、一般的には以下のようなプロジェクトが該当するとされているので、自身が担当した案件が当てはまるかを確認しておくとよいでしょう。

【大規模プロジェクトの目安】
● 1,000万円以上の費用がかかる
● 100名以上の人員がかかわる
● 1年以上の期間がかかる

上記に該当するプロジェクトでマネジメントスキルを磨いた方は、高付加価値な人材として活躍できる可能性がアップします。

◇2.コミュニケーションスキル

プロジェクトを管理するうえで、PMOはチームメンバーやPM、クライアントなどさまざまな人とかかわるため、コミュニケーションスキルは不可欠です。

例えば、プロジェクトが当初の予定どおりに進んでいない場合、予算調達や人員確保を目的とした交渉を、PMOがステークホルダーに対して行なうケースもあります。場合によっては、PMOがプロジェクトメンバーを育成することもあるので、社内外の人物との適切なコミュニケーションスキルが必要です。

また、会議における進行役としての役割を果たすためのファシリテーションスキルや、プロジェクトの意向や現状を伝えるためのプレゼンテーションスキルも、併せて備えておく必要があるでしょう。

特に、フリーランスのPMOとして活躍するには、高いコミュニケーションスキルが求められます。コミュニケーションスキルを向上するポイントについては、ぜひ以下の記事をご参照ください。

フリーコンサルタントに必要なスキル「コミュニケーション能力」向上のポイント

◇3.ドキュメンテーションスキル

PMOには、プロジェクトの進捗状況などの情報を整理して文章に落とし込み、社内外で正確に共有するためのドキュメンテーションスキルが必要です。

例えば、会議の議事録をはじめ、計画書や報告書などプロジェクトの円滑な進行にはさまざまなドキュメントを作成し、共有しなければなりません。

ドキュメントの内容はプロジェクトの意思決定にも影響をおよぼすので、Word、Excel、PowerPointといったビジネスツールを使いこなし、適切な文章で記述するスキルが求められます。

◇4.問題解決スキル

プロジェクトで問題が発生した際に、迅速に解決して進捗遅れなどを回避するためのスキルも必須です。プロジェクトによっては、問題が表面化していないケースもあるので、分析力や観察力も求められるでしょう。

分析力や観察力が必要な具体例として、以下のようなケースが挙げられます。

● 非効率的に作業が進められているケース
● ルールが遵守されていないケース
● スムーズな情報伝達が実施されていないケース

また、十分な進捗・品質管理を実現するには、集計した数値のみに着目するのではなく、現場目線に立って問題点の把握や解決に努めることが重要です。

◇5.標準化スキル

一貫性のあるプロジェクト運営や効率化を実現するには、プロジェクトの作業、ドキュメントにおけるフォーマットなどを統一して、標準化を図ることが大切です。

また、プロジェクトマネジメントのプロセスやフレームワークを統一することで、ほかのプロジェクトへの横断的なベストプラクティスの共有も可能になります。標準化スキルを備えていることで、プロジェクトの品質を安定させられ、成功率アップにもつながるでしょう。

◇6.IT関連の専門スキル

ITプロジェクトを管理するうえで、PMOもIT関連の専門スキルを備えておくべきでしょう。なぜなら、プログラミングやシステム開発に関する一定レベルのスキルがあると、的確なスケジューリングや、プロジェクトで活用できるツールの選定などに役立つためです。

また、プロジェクトで不足している人員の補充に向けて、適切な人材を選定し、アサインするためにもITに関する専門スキルは不可欠です。

一定レベルのITスキルを持っていれば、クライアントの要望に基づくシステム仕様について、開発担当者との打ち合わせもできます。

◇7.英語スキル

昨今の開発プロジェクトでは、国際的な案件も増えつつあります。そこで、PMOが英語スキルを備えていれば、高収入のPMO案件を担当できる可能性が高まるでしょう。

英語スキルがあると、海外のメンバーとのコミュニケーションや、英語でのドキュメント作成が可能です。ちなみに、ビジネスレベルの英語力の目安は、TOEICで700点以上、TOEFLで100点以上とされています。

ビジネスレベルの英語力を身に付けるには、ビジネスシーンに特化した教材を活用したり、会議やプレゼンテーションで使うフレーズを英訳して学習したりすることが有効です。

【職種別】PMOに求められるスキルセット

PMOの職種は大きく3つに分かれます。ここでは、3つの職種別に求められるスキルセットを見ていきましょう。

◇PMOエキスパート

PMOエキスパートは、プロジェクトにおけるルールや環境を整備したり、改善したりする職種です。求められるおもなスキルセットとして、計画策定に関する情報分析や、開発プロセスの分析に関するスキルが挙げられます。

また、スケジュールの作成や業務プロセスの改善、プロジェクトメンバーの教育に関するスキルも備えておく必要があります。プロジェクトの関係者が求めるニーズを、開発プロセスや利用するツールに反映させる管理スキルも不可欠です。

◇PMOマネージャー

PMOマネージャーは、PMO全体を管理してスムーズな進行を図る職種です。求められるおもなスキルセットには、PMOの組織戦略の策定や予算管理、PMOメンバーの勤怠を管理するなどのスキルが挙げられます。

企業の経営層とPMの橋渡し役として、プロジェクトの円滑な進行に重要な役割を任されるため、特にコミュニケーションスキルを磨いておく必要があるでしょう。

◇PMOアドミニストレーター

PMO事務とも呼ばれるPMOアドミニストレーターは、PMのサポート役としての役割を担う職種です。求められるおもなスキルセットとして、プロジェクトに必要なデータの収集や、書類作成・管理に関するスキルなどが挙げられます。

具体例を挙げると、Microsoft Officeの主要アプリケーションを使いこなせる高いドキュメンテーションスキルは不可欠といえます。

PMOの将来性が高い理由

国内のIT市場規模が拡大傾向にあることに加え、IT技術の発展やグローバル化にともない、複雑なプロジェクトは増えつつあります。プロジェクトの成功確度を上げるために、PMOの高需要が見込まれます。

しかし、大企業であっても、社内で数十人規模のPMOを設置することは難しく、外部へ委託する企業も少なくありません。そのため、コンサルティングファームやフリーランス向けのPMO案件は多く、将来性が高いといえます。

市場価値の高いPMOとして長く活躍するためにも、前述したスキル群を磨いておくことが重要です。

PMOに向いている人にはどのような特徴がある?

ここからは、PMOに向いている人の特徴について紹介します。自身に適性があるか否かを再度チェックしておくことで、今後のキャリアプランの策定などにも役立てられます。

なお、PMOに向いている人について、さらに詳しく把握しておきたい方は以下の記事をご覧ください。

PMOに向いている人・向いていない人の特徴は?優秀なPMOになるためのポイントも

◇後方支援に仕事のやりがいを感じる人

プロジェクトの後方支援に仕事のやりがいを感じる人は、PMOに向いています。なぜなら、プロジェクトの意思決定権を持つのはPMであり、PMOはあくまでPMのサポートやチームの裏方として支援する役割を持つためです。

チームメンバーとの密なコミュニケーションや、クライアントとの交渉を通じて、プロジェクトの成功に貢献したいという人は適任でしょう。

◇PMの経験を活かして働きたい人

PMは、プロジェクトを牽引するリーダー役として重要なポジションです。PMの経験を活かして働きたい人は、PMOとしてプロジェクトに参画した際に柔軟な対応ができるため、メンバーからも信頼してもらえるでしょう。

また、PMの視点に立ったサポートも行なえるので、PMの抱える課題などを把握しやすくなり、プロジェクトの成功に寄与できます。

◇交渉力・調整力が高い人

PMOはさまざまなステークホルダーとかかわるため、意見や要求を聞いたうえで、バランス良くプロジェクトに反映する交渉力・調整力が求められます。コミュニケーションスキルとも共通しますが、交渉力・調整力が優れている人は、PMOとして活躍しやすいでしょう。

また、複数のプロジェクトをまとめてPMOが管理するケースも多いため、自身の知見を広げられる機会となり、キャリア形成にも役立てられます。

PMOのスキルを高めるおすすめの資格3選

続いて、PMOのスキルを高めるのに効果的な資格を3つ紹介します。すでに習得しているスキルを伸ばして、さらに高付加価値な人材として活躍するためにもチェックしてください。

なお、PMOに関する資格の詳細については、ぜひ以下の記事をお読みください。

PMO業務におすすめの資格12選!概要や難易度、資格取得のメリットも解説

◇プロジェクトマネジメント・アソシエイト(PJM-A)

プロジェクトマネジメント・アソシエイト(PJM-A)は、一般社団法人日本PMO協会の認定資格です。プロジェクトの現場業務で必要な基本的な知識・技術の習得を証明できることが特徴です。

学習に際しては、映像型eラーニングを使い、オンライン試験を受験します。有資格者は名刺へ資格名を記載できるほか、履歴書への記載も可能なので高いアピール力が見込まれます。

◇PMP

PMPは、プロジェクトマネジメント協会が認定する国際資格です。体系的な知識とスキルの証明として使え、国際的な認知度の高さからグローバルに活躍したい場合にもアピール力が期待できます。

受験に際しては、プロジェクトマネジメントの一定の経験を積んでいる必要があるので留意しておきましょう。例えば、大卒者の場合、4,500時間および36ヵ月(申請時から8年以内)のマネジメント経験が求められます。

◇プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験は、IPAが実施している国家資格で、PMに必要な予算管理やスケジュール管理などの知識を証明できます。プロジェクトマネジメントに関する知識を深められるため、PMを支援するPMOの役割を果たす際にも活かせます。

試験は、出題形式が多肢選択式(四肢択一)の「午前Ⅰ・Ⅱ」と、記述式の「午後Ⅰ」、論述式の「午後Ⅱ」の4部構成です。合格率は例年13~15%前後と難度は高めなので、事前の試験対策をしっかりとしておくことが大切です。

PMOのスキルセットを活かしたキャリアプラン

PMOのスキルセットを活かして、どのようなキャリアプランを描けるのかが気になる方も多いのではないでしょうか。

ここからは、PMOのスキルセットを活かした具体的なキャリアプランを2つ紹介します。

◇上位職を目指す

事業会社の社内PMO、あるいはコンサルティングファームに所属するPMOとして、上位職を目指すというキャリアプランです。

前述のとおり、プロジェクトにおけるPMOのニーズは高まっているため、担当するプロジェクトで十分な成果を出せば上位職としてキャリアアップできる可能性があります。

なお、PMOのキャリアの順序は、アドミニストレーター、エキスパート、マネージャーという流れが一般的です。

◇フリーランスとして独立する

コンサルティングファームに所属するPMOコンサルタントとしてスキルを磨き、経験を積んでいる場合は、フリーランスの道を選択するのも手です。コンサルティングファームのPMOの平均年収は、800~1,800万円程度とされています。

一方、フリーランスのPMOの平均年収は、スキルや実績次第では2,000万円を超えるケースもあり、現職よりも収入を伸ばせる可能性があります。

複数のプロジェクトに携わることで、さらに自身のスキルセットを高められるので、積極的にチャレンジしてみるのがおすすめです。

フリーランスのPMOになるメリット・デメリットなどを詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事をご参照ください。

フリーランスのPMOになるメリット・デメリットは?案件の単価相場や求められるスキルも解説

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まとめ

PMOに必要な基本的なスキルには、マネジメントスキルやコミュニケーションスキル、標準化スキルなどが挙げられます。ただし、PMOマネージャーやPMOエキスパートといった職種の違いによって、重点的に求められるスキルの内容は変わってくるので留意しておきましょう。

また、PMOのスキルセットを十分に高めた方は、事業会社もしくはコンサルティングファームに所属するPMOとして上位職を目指したり、フリーランスとして独立したりする道が開けます。

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