PMO（Project Management Office：プロジェクト・マネジメント・オフィス）とは、プロジェクトを横断的に支援する事務局や構造システム、または職種のことです。PMOがその役割を発揮することで、プロジェクトをよりスムーズに進行できるようになります。
PMOのなかでも、特に熟練したスキルを持ち、プロセス分析や情報分析、人材開発などの業務を幅広く担う存在を、PMOエキスパートと呼びます。PMOエキスパートは経験と知識、技術を兼ね備えており、プロジェクトの成功に欠かせない存在です。
PMOエキスパートになるなら、求められるスキルを知り、実務経験を確実に積み重ねていく必要があります。
この記事では、PMOエキスパートの概要や業務内容、必要なスキル・経験、おすすめの資格を解説します。PMOエキスパートになりたい方やPMOへの転職を考えている方はぜひ、参考にしてください。
目次
- PMOエキスパートとは？
- PMOエキスパートのおもな業務内容
- PMOエキスパートに求められるスキル・経験
- PMOエキスパートにおすすめの資格例
- PMOエキスパートとして活躍するなら「プロフェッショナルハブ」
- まとめ
PMOエキスパートとは？
PMOエキスパートは、プロジェクト環境やルールの策定・標準化など、PMOのほとんどの業務を担います。経験と実績、技術でプロジェクト全体を支えるPMOエキスパートは、まさにPMOのプロフェッショナルです。PMOエキスパートは、プロジェクトの成功率を大きく左右する重要な存在だといえるでしょう。
特に管理するプロジェクトの数が多い現場では、PMOエキスパートの手腕が問われます。プロジェクトの件数が増えれば増えるほど、プロジェクトの進捗や成果にバラつきが出やすくなり、それらを管理するには熟練したスキルが必要です。
優れたPMOエキスパートなら、プロジェクト件数が増えても、プロジェクトごとのバラつきを解消し、品質の維持・向上や業務の効率化を目指せます。PMOエキスパートを目指すなら、どのような現場でも柔軟に対応できる力も身に付けましょう。
◇エキスパート以外にも！その他のPMO職種
熟練したPMOはPMOエキスパートと呼ばれますが、PMOはその役割に応じて「PMOアドミニストレータ」や「PMOマネージャー」などと呼ばれることもあります。
PMOアドミニストレータは、プロジェクトの社内プロセスを円滑に進めるため、事務的な作業を行なう役職です。PMOとして仕事を始めるなら、まずはPMOアドミニストレータとしてPMO業務の基本を学んでいきましょう。
PMOアドミニストレータについては下記記事で詳しく解説していますので、興味がある方はぜひご覧ください。
PMOアドミニストレータとは？業務内容や必要なスキル、役立つ資格を紹介
PMOマネージャーは、PMOの組織全体をマネジメントする役職です。PMO組織戦略の策定やPMOメンバーの管理・教育、予算管理、プロジェクト環境の維持管理など、プロジェクトを円滑に遂行するためのマネジメント業務全般を担います。PMOマネージャーは、PMOアドミニストレータの上司のような存在でもあるといえるでしょう。
PMOは役職によって担う基本業務が異なりますが、プロジェクトが変われば求められる業務も変化します。PMOには役職の枠にとらわれず、プロジェクトによって柔軟に業務を変化させる対応力も求められるといえるでしょう。
PMOエキスパートのおもな業務内容
PMOエキスパートは、プロセス分析や情報分析、人材開発など、PMOのほとんどの業務を網羅的に担当します。代表的な業務内容としては以下のようなものが挙げられますが、プロジェクトによって業務が異なる場合があるため、ケースバイケースで対応が必要です。
・プロジェクトルールの標準化
・社内プロセスの文書化・定着化
・情報収集手法の確立・定着化
・社内プロジェクトツールの開発・定着化
・ステークホルダーとの連携によるニーズの収集
・プロジェクトマネジメント教育
・プロジェクトメンバーのサポート
上記の業務のなかでも特に、プロジェクトルールの標準化は、効率的に業務を進めるうえで欠かせません。業務効率化はプロジェクトのリソースや予算を抑えることにもつながるため、プロジェクト全体への影響が大きいのが特徴です。
PMOエキスパートに求められるスキル・経験
多様な業務に携わるPMOには、職種を問わず、次のようなスキルが必要になります。
・コミュニケーションスキル
・ドキュメンテーションスキル
・マネジメントスキル（リスクマネジメントスキル、コストマネジメントスキル、タイムマネジメントスキル）など
ここでは、上記スキルを習得したうえで、さらにPMOエキスパートに求められるスキルと経験を3つ紹介します。スキルアップして、さまざまな現場で求められる人材を目指しましょう。
なお、下記記事ではPMOに求められるスキルをさらに詳しく解説しています。参考にしてください。
PMOに必要なスキル7選！職種別のスキルセットやキャリアプランも紹介
◇交渉スキル
PMOエキスパートは、異なるバックグラウンドを持つステークホルダーと、コミュニケーションを取りながら業務を進めなければなりません。
それぞれの立場から意見を聞いてバランス良くプロジェクトに反映させたり、経営層やクライアントに要求を伝えて合意を得たりする際には、交渉スキルや調整スキルが役立ちます。
また、交渉や調整では、事前に代替案や妥協範囲などを準備しておく計画性も求められます。先々のことを考え、必要な手を早く正確に打つ適応力が必要だといえるでしょう。
◇想定外の問題への対応力・解決力
プロジェクトには、想定外のトラブルがつきものです。スケジュールどおりに進行できない問題が発生したり、十分なリソースや予算を確保できなかったりするなど、さまざまなトラブルに対処するのもPMOエキスパートの業務の内です。
原因の調査や仮説の検証、解決策の提案などのプロセスを実行し、臨機応変かつスムーズに問題に対処する力が求められています。
◇システム開発経験
PMOはITプロジェクトに携わることが多く、PMOエキスパートはシステムを開発するメンバーをサポートします。
その際、システム開発経験による知識がないと、発生している事象を把握しにくくなってしまいます。課題の解決策を提示できず、ステークホルダーに対して的確な説明ができないなどの問題が発生する可能性もあるため、PMOエキスパートとして活躍するためには、システム開発経験も必要といえるでしょう。
PMOエキスパートにおすすめの資格例
PMOエキスパートに求められるさまざまなスキルを身に付けるなら、実戦経験を積みながら資格を取得するのがおすすめです。PMO関連の資格を取得すれば、PMOに求められる全般的な知識を身に付けられるうえ、スキルを対外的に証明するのにも役立ちます。
PMOエキスパートにおすすめの資格は以下の3つです。
・PMOスペシャリスト認定資格（NPMO認定PMO-S）
・プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル（PMP）
・プロジェクトマネージャ試験
◇PMOスペシャリスト認定資格（NPMO認定PMO-S）
PMOスペシャリスト認定資格（NPMO認定PMO-S）はPMO業務に必要な知識の習得を証明する資格です。一般社団法人日本PMO協会が資格認定を行なっており、映像型eラーニングとオンライン試験を導入しているため学習から資格取得までオンラインで完結できます。
PMOスペシャリスト認定資格には、★、★★、★★★の3つのレベルがあり、星の数が増えるほどより専門的な知識を問われます。なお、現在展開されているレベルは★、★★の2種類で、★★★は策定中（2024年11月現在）です。
★の習得には基礎的な知識が求められ、★★はPMOマネージャークラスの知識・技術が求められます。PMOエキスパートを目指すなら、★★を習得しておいて損はないでしょう。
◇プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル（PMP）
プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル（PMP）は、プロジェクトマネジメントの知識や経験を証明する国際資格です。一定の学歴とプロジェクトマネジメント経験を満たしていなければ受験できないため、経験豊富なPMOエキスパートにおすすめの資格といえるでしょう。
◇プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験は、IT系国家資格試験「情報処理技術者試験」の一つです。システム開発に関する内容も含まれるため、ITの知識も求められるPMOエキスパートに役立つ資格といえます。
プロジェクトマネージャ試験の合格率は例年13～15％程度です。合格率がそれほど高くないため、資格を取得できれば高い専門性を持っていることを証明できます。
PMOエキスパートとして活躍するなら「プロフェッショナルハブ」
「プロフェッショナルハブ（Professional Hub）」は、PMOなどのフリーランスコンサルタント向けのエージェントサービスです。コンサルティング会社を親会社に持ち、グループ会社などの幅広いネットワークから多様かつ高単価な案件を保有しています。
プロフェッショナルハブでは、PMOエキスパートやPMOマネージャーが活躍できる案件も豊富に取り扱っています。専属担当者がしっかりとサポートしているため、すでにフリーランスのPMOとして活動している方や、今後フリーランスとして独立することを検討している方にもおすすめです。
会員登録は無料でできるため、ぜひお気軽にご利用ください。
まとめ
PMOエキスパートは熟練したPMOとして、PMOのあらゆる業務に携わります。PMOエキスパートになるなら、交渉スキルやITスキルなどの幅広いスキルを習得し、さまざまな現場で実務経験を積みましょう。
プロフェッショナルハブ（Professional Hub）なら、PMOをはじめとしたフリーランスコンサルタントの案件獲得やキャリアアップを支援しています。高い専門性を活かして活躍したい方は、ぜひサービスをご活用ください。
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