フリーコンサルタントの消費税請求や支払いの仕組み、いま話題のインボイス制度について解説

フリーコンサルタントの節税や保険

2022年6月22日

「Professional Hub(プロフェッショナルハブ)エージェントの葉葺と申します。」

「フリーランスとして働くコンサルタントの、消費税請求や支払いについて解説。加えて2023年より始まるインボイス制度についてもご紹介いたします。フリーランスにおける正しい消費税の知識をチェックしておきましょう。」

目次

  1. 消費税の仕組み
  2. 消費税の計算方法は「一般課税」と「簡易課税」の2つ
  3. インボイス制度
  4. まとめ

1.消費税の仕組み

はじめに、消費税の仕組みや基礎についてご紹介します。
消費税とは税の中でどんな種類にあたるのか、そして支払いを行わなければならない基準や、逆に消費税を請求するとはどういうことなのかをここでおさえておきましょう。

直接税と間接税のちがい

税金には「直接税」と「間接税」といった2通りの納付方法があります。
消費税はこのうち、「間接税」にあたります。

直接税では、税を納める人と負担する人が同じものを指します。例として、下記のようなものが挙げられます。
・所得税
・相続税
・法人税
・道府県民税
・市町村民税
・自動車税
・固定資産税など

一方で間接税は、税を納める人と負担する人が異なります。
例えば、消費税を負担するのは消費者ですが、消費税を受取るのは事業者です。よって、“消費税を納める人=事業者”となるわけです。

間接税の特徴としては、所得にかかわらず、一律に税金を徴収します。
間接税として消費税以外に下記のようなものが挙げられます。
・酒税
・たばこ税(道府県たばこ税、市町村たばこ税)
・ゴルフ場利用税
・関税など

消費税を支払う基準は「課税事業者・免税事業者」で決まる

フリーランスコンサルタントとして活動している場合、消費税を支払う(納める)必要はあるのでしょうか?

答えは「課税事業者・免税事業者」のどちらかによります。
フリーコンサルタントで課税事業者に当てはまるなら、翌年の3月31日までに消費税の申告と納付(前年分)をしなければなりません。

フリーコンサルタントで免税事業者に当てはまるなら、消費税の申告と納付をする必要はありません。
下記4つのうち、どれか一つにでも当てはまるならば、あなたは課税事業者となります。

・2年前の事業年度(基準期間)の売上高が1,000万円を超える事業者
・課税事業者選択届出書を出した場合
・特定期間の売上が1,000万円超かつ支払給与額が1,000万円超
(※個人事業者は前年1月1日~6月30日までの間、法人は前年の事業年度開始後6ヶ月間)
・設立資本金が1.000万円以上の場合

課税事業者になる人の要件として多いのは、2年前の事業年度(基準期間)の売上高が1,000万円を超えているケースです。

消費税の課税事業者となるには、所轄の税務署に届出書を提出しなければなりません。
提出する書類には下記のようなものがあります。
・消費税課税事業者届出書(基準期間用・特定期間用)
・消費税簡易課税制度選択届出書
・消費税課税事業者選択届出書

フリーコンサルタントであっても消費税の請求は可能

フリーコンサルタントであっても、消費税の請求は可能です。 課税事業者であっても、免税事業者であっても請求できます。仮にクライアントから「消費税分は請求しないで欲しい」と言われたとしても、消費税分の請求をすることに法律上の問題はありません。

消費税分込みで請求書を作成する際、消費税の金額はキチンと明記しておきましょう。

消費税の記載方法は、内税でも外税でも、税額が記載されていればどちらでも構いません。 請求書に消費税額の記載を忘れてしまった場合、消費税分の金額については請求できなくなります。
消費税分も上乗せして請求したいのであれば、請求書を作成し直して良いか、クライアントに相談してみましょう。

もしも消費税の値引きを強要された場合は、公正取引委員会の「消費税の転嫁拒否等の行為等に係る相談・違反情報」の窓口に相談しましょう。 違反行為と判断された場合、クライアントに対して勧告をしてくれます。

2.消費税の計算方法は「一般課税」と「簡易課税」の2つ

課税事業者が納める消費税の計算方法は「一般課税」と「簡易課税」の2通りあります。

「一般課税」で消費税の納税額を求める計算式は下記の通りです。

「課税期間中の課税売上にかかる消費税」―「課税期間中の課税仕入れなどにかかる消費税」=消費税の納税額

例えば、課税期間の課税売上にかかった消費税が100万円、課税期間の課税仕入れにかかった消費税が40万円だとします。

100万円(課税期間中の課税売上にかかる消費税)―40万円(課税期間中の課税仕入れなどにかかる消費税)=60万円(消費税の納税額)

つまり、消費税の納付額は60万円になります。

「簡易課税」で消費税の納税額を求める計算式は下記の通りです。

「課税期間中の課税売上にかかる消費税」―「課税期間中の課税売上にかかる消費税×みなし仕入れ率」=消費税の納税額

引用元:No.6505 簡易課税制度|国税庁 (nta.go.jp)

例として、課税期間の課税売上にかかった消費税が100万円とします。 フリーコンサルタントはサービス業になるので、第5種事業=みなし仕入れ率50%になります。

100万円(課税期間中の課税売上にかかる消費税)―[100万円(課税期間中の課税売上にかかる消費税)×50%(みなし仕入れ率)]=50万円(消費税の納税額)

つまり、消費税の納税額は50万円となります。
簡易課税の計算ができる事業者は、基準期間の課税売上高が5,000万円以下と定まっています。

3.インボイス制度

インボイス制度とは?

インボイス制度とは、請求書や領収書を保管する制度であり、適格請求書等保存方式ともいいます。 消費税の仕入税額控除を受ける要件として、令和5年10月以降、区分記載請求書から適格請求書(インボイス)に変わります。

引用元:0020006-027.pdf |国税庁 (nta.go.jp)

仕入税額控除が適用されなければ、売上にかかった消費税を全て納付しなければなりません。 課税売上にかかった消費税が100万円だとして、控除がないため、100万円全額を納める必要があるのです。

ちなみに適格請求書(インボイス)は、課税事業者でなければ発行できない仕組みとなっています。

免税事業者から課税事業者になる人が増える可能性も

令和5年10月からインボイス制度が導入されることによって、免税事業者から課税事業者に移行する人が増える可能性もあります。
なぜなら、免税事業者は適格請求書(インボイス)を発行できないからです。

そもそも免税事業者は、フリーコンサルタントなどのフリーランスや個人事業主など、個人で活動している人が多いです。 個人で活動している人は、企業から仕事を受注して収入を得る人が大多数でもあります。
企業は課税事業者が多いため、免税事業者が発行する請求書では仕入税額控除の対象にならないのです。

よって、免税事業者との取引を控える動きも予想されます。

フリーランスや個人事業主にとって、企業との関係は生命線といっても過言ではありません。 企業と取引ができなくなるなら、課税事業者になる人も少なくないでしょう。

まとめ

普段のお買い物などでよく耳にする消費税ですが、実際にクライアントに請求して良いのか、納税を行うべきか否かの判断はどうすれば良いのか迷う方もいらっしゃると思います。
本記事が、みなさんがフリーランスコンサルタントとして税の仕組みを理解する第一歩につながればうれしいです。特にインボイス制度は2023年10月に新しく開始となりますので、あわてないように事前にしっかり準備しておきましょう。

▼消費税以外にフリーランスコンサルタントがおさえておくべき税金についてはこちら
https://consultant-jobs.jp/2018/08/29/0830/

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