ERPパッケージを導入するエンジニアは比較的単価が高く、力のあるエンジニアにはしっかりと報酬と仕事が付いてくるものです。特にERP案件のクライアントは大手企業が多いため、単価や期間に恵まれている傾向にあります。ではERP導入を手掛けるエンジニアに必要な知識とは、どんなものなのか整理していきましょう。
取り扱うERPパッケージの標準機能に対する理解
ERPパッケージは、非常に幅広い業務分野と詳細な業務知識が詰め込まれたソフトウェアの集合体です。
世界中の商慣習を参考にしながら、どの地域の企業にも対応できるよう、さまざまな標準機能が搭載されています。
その標準機能とは、製品やサービスの受注に関するものから在庫の移動、実際の売り上げを会計的に処理するという流れに沿っているのです。
また、企業に勤める人材に関する情報も含んでおり、まさに企業活動を包括的に処理するツールと言えるでしょう。
このように企業が行う活動に関する知識を前提としたうえで、そのパッケージ固有の内部的な動きや設定を知っておかなければなりません。
日本国内では海外のERP製品をそのまま適用することが難しく、多くのプロジェクトでパッケージに対する追加開発(アドオン開発)が行われていますので、そのベースとなるパッケージ標準機能をしっかりと抑えておく必要があるのです。
各種パラメータ設定も重要な知識
ERPパッケージは、パッケージの機能として各種パラメータを持っており、このパラメータの詳細な設定を「カスタマイズ」と呼ぶことがあります。
例えば、ERPパッケージの代表的なものとしてSAP社のSAP ERP(SAP R/3)があります。
SAP ERPでは、受注から契約、在庫、売り上げといった流れに沿って作成される伝票のデータを保持しており、この伝票に記載される情報をカスタマイズで設定可能です。
受注の可能性や見積数量、在庫状況、通貨単位、価格設定などがこの伝票タイプに含まれており、企業の商慣習に応じて設定しておくことでパッケージの動きが最適化されるのです。
特に価格設定に関しては一度設定されたパラメータによって伝票に記載される価格が自動設定されるため、その仕組みを理解しておくことが大切です。
価格設定に必要な知識としては、クライアント企業で扱う製品やサービスの価格一覧、税金に関するもの、通貨の換算レートなどがあり、これらはIT以外の専門知識を必要とする場合があります。
ERPパッケージの主な機能としては、「会計管理」、「販売管理」、「在庫管理」、「購買管理」、「生産管理」、「品質管理」、「人事管理」、「ワークフロー」等と多岐にわたります。つまり、これらのどこかに関する専門知識を持っていると、実際の運用面も理解することができ、差別化となります。IT以外の専門知識を持つエンジニアは少ないため、希少価値が高く単価交渉もしやすいといえます。
クライアント業務に対する知識
クライアント業務に関しても詳細な知識が必要になりますが、日本企業は独自の業務プロセスを持つ場合が多く、詳細な知識はクライアントとのやり取りを通じて身に着ける必要があります。
これについては日々勉強と割り切り、クライアントとの打ち合わせやヒアリングと並行して知識の補強に務めていきましょう。
必要な語学力のレベルは
ERPパッケージはグローバルに展開する企業に導入されるケースもあり、仕入れや販売を通じて国と国をまたいだ情報のやりとりが発生します。
そのため、国内の拠点だけではなく、海外拠点とのコミュニケーションが必要なケースも十分に考えられるのです。
特に英語は使用頻度が高く、バイリンガルレベルを求められることもあるでしょう。
しかし一般的にはそこまで高度な英語力は必要とされず、簡単な読み書きやメールでの意思疎通を条件とする案件も多いので、自分の語学力に応じたレベルの案件を探していくことが大切です。
なお、エンジニアレベルでは技術情報を英語のまま参照できる程度の力があれば、十分に仕事は成り立つことが多いので、日ごろから英語力(特にリーディング)を鍛えておくことをおすすめします。
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