PMO業務におすすめの資格12選!概要や難易度、資格取得のメリットも解説

フリーコンサルタントのキャリア

2024年7月16日

PMOの仕事に興味がある方のなかには、どのような資格を取得すればよいのか、疑問に思っている方もいるでしょう。

また、すでにPMO業務に携わっている方で、資格取得を通したスキルアップ・キャリアアップを考えている方もいるかもし
れません。
この記事では、PMOに関する資格の必要性やメリットとともに、おすすめの資格を12種類紹介します。自分に合う資格の見極め方も解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

  1. PMOの仕事に資格は必要?資格を取得するメリット
  2. PMOにおすすめの資格試験一覧!概要や難易度も
  3. 自分に必要なPMO資格の見極め方
  4. まとめ

PMOの仕事に資格は必要?資格を取得するメリット

PMOとは、「Project Management Office(プロジェクト・マネジメント・オフィス)」の略で、一般的には企業のプロジェクトを横断的に支援する組織や部門を指します。また、PMOで働くコンサルタント(PMOコンサルタント)を、PMOと呼ぶこともあります。

PMOについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

PMOとは?PMとの違いや役割・職種、向いている人の特徴などを解説

PMOの仕事は、「資格を持っていないとできない」というわけではありません。しかし、以下のようなメリットから、資格の取得はおすすめといえるでしょう。

スキルアップできる

資格試験の内容は、PMOの仕事に必要な知識・スキルを踏まえて構成されています。そのため、資格取得に向けて勉強するだけでも、業務への理解が深まりスキルアップにつながるでしょう。

資格試験の主催団体が発行する過去問題集や参考書などを利用するのが、代表的な勉強方法です。

就職・転職や案件獲得時に有利になる

プロジェクトマネジメントのスキルは、技術的なスキルと比べると可視化しにくく、アピールが難しい特徴があります。一方で、資格を取得しておけば、スキルを簡単に証明可能です。履歴書や経歴書に取得した資格を記載することで、就職・転職の際に有利になるでしょう。

また、フリーランスのPMOとして活動する場合には、案件を獲得しやすくなったり、単価などの条件交渉がスムーズに進みやすくなったりします。

以下の記事では、PMOのフリーランス案件の特徴などを解説しています。併せて参考にしてください。

PMOのフリーランス案件の特徴や単価相場とは?必要な能力・知識なども解説

資格手当がもらえる可能性がある

会社に所属しながらPMOの仕事をする場合、資格を取得することで、会社によっては「資格手当」が付くケースもあります。資格手当の有無や支給条件は、就業規則で確認可能です。

資格手当の支給方法は、資格を取得してから毎月の給料に上乗せされるパターンと、資格を取得した際に一時金として支給されるパターンがあります。企業によっては、一時金に加えて資格手当を毎月支給する場合もあるでしょう。

PMOにおすすめの資格試験一覧!概要や難易度も

ここから、PMOの仕事に役立つ全12種類の資格試験について、基本情報を解説します。試験内容や難易度を踏まえ、どの資格試験にチャレンジするかを検討してみましょう。

なお、各資格試験の最新情報は、公式サイトでご確認ください。

プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格(NPMO認定PJM-A)

 主催団体  一般社団法人日本PMO協会(NPMO)
 試験日程  随時
 受験資格  指定のNPMO認定教材「PJM-A講座」での学習を修了していること
 受験料金 会員初回9,900円(税込)
一般初回1万4,300円(税込)
 合格基準  正解率75%以上
 公式サイト  https://www.npmo.org/pjma/

プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格は、プロジェクトの現場業務に必要な基礎知識とスキルを証明できる資格です。特に、PMOコンサルタントを目指す初心者におすすめです。

試験は全120問の4択問題形式で、オンラインで実施されます。受験のタイミングは任意ですが、受験料の支払いから6ヵ月以内に試験を受けなければなりません。

プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格を取得すると、次章で紹介する「PMOスペシャリスト認定資格」の受験資格を得られます。

PMOスペシャリスト認定資格(NPMO認定PMO-S)

PMOスペシャリスト認定資格には、以下の3つのレベルがあります。

● PMOスペシャリスト(★)
● PMOスペシャリスト(★★)
● PMOスペシャリスト(★★★)

ただし、PMOスペシャリスト(★★★)は現在策定中のため、実際に受験できるのは、PMOスペシャリスト(★)またはPMOスペシャリスト(★★)です。

・PMOスペシャリスト(★)認定資格

 主催団体 一般社団法人日本PMO協会(NPMO)
 試験日程  随時
 受験資格 指定のプロジェクトマネジメント関連資格を保有していること
指定のNPMO認定教材「PMO-S(★)講座」での学習を修了していること
 受験料金 会員初回9,900円(税込)
一般初回1万4,300円(税込)
 合格基準 正解率80%以上
 公式サイト https://www.npmo.org/pmo-s-single/

PMOスペシャリスト(★)認定資格は、PMO業務で必要な知識を証明できる資格です。ただし、前章の「プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格」などを取得していないと受験できないことから、中級者向けといえます。

試験は全50問の択一式で、オンラインで実施されます。

・PMOスペシャリスト(★★)認定資格

 主催団体 一般社団法人日本PMO協会(NPMO)
 試験日程  随時
 受験資格 PMOスペシャリスト(★)認定資格を保有していること
指定のNPMO認定教材「PMO-S(★★)講座」での学習を修了していること
 受験料金 会員初回1万1,000円(税込)
一般初回1万6,500円(税込)
 合格基準 100点満点中70点以上
 公式サイト https://www.npmo.org/pmo-s-double/

PMOスペシャリスト(★★)認定資格は、PMOスペシャリスト(★)認定資格よりもレベルが上がり、PMOマネージャーとして必要な知識やスキルを証明できる資格です。

試験は全20問の記述式で、オンラインで実施されます。PMOスペシャリスト(★)認定資格で身に付ける知識・スキルや、PMO-S(★★)講座内容のポイントを理解していないと、制限時間内にすべての問題に解答するのは困難です。

なお、合格率は44%と公表されています。

プロジェクトマネージャ試験

主催団体 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
試験日程 年1回(10月)実施予定
受験資格 特になし
受験料金 7,500円(税込)
合格基準 午前Ⅰ・午前II・午後Ⅰの部:100点満点中60点以上
午後IIの部:Aランク(A~Dの4ランク中)
公式サイト https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/pm.html

プロジェクトマネージャ試験は、IT系国家資格試験「情報処理技術者試験」の区分の一つです。プロジェクトマネージャ試験に合格すると、ITプロジェクトのマネジメント業務について、円滑に遂行する知識や実践的能力があることを証明できます。

試験は、以下の4部に分かれています。

● 午前Ⅰ:全30問の4択問題形式
● 午前II:全25問の4択問題形式
● 午後Ⅰ:全3問中2問解答の記述式
● 午後II:全2問中1問解答の論述式

難易度は比較的高く、合格率は例年13~15%程度です。

P2M資格試験

P2Mは、プロジェクトマネジメントに必要な実践的スキルを証明する資格です。具体的には、以下の5種類があります。

● プロジェクトマネジメント・コーディネーター(PMC)資格試験
● PMSプログラム試験
● プロジェクトマネジメント・スペシャリスト(PMS)資格試験
● プログラムマネジャー・レジスタード(PMR)資格試験
● プログラムマネジメント・アーキテクト(PMA)資格試験

ただし、プログラムマネジメント・アーキテクト(PMA)資格試験は、現時点でまだ実施されていません。

なお、PMSプログラム試験と、プロジェクトマネジメント・スペシャリスト(PMS)資格試験で取得できる資格は、同じ「PMS資格」です。

・プロジェクトマネジメント・コーディネーター(PMC)資格試験

主催団体 特定非営利活動法人日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)
試験日程 年度中に6回ある試験期間内のいずれかの日
受験資格 PMC講習会での学習を修了していること
受験料金 1万7,050円(税込)
合格基準 正解率70%以上
公式サイト https://www.pmaj.or.jp/p2m/exam/pmc/top.html

プロジェクトマネジメント・コーディネーター(PMC)資格試験は、全50問の4択問題形式です。プロジェクトマネジメントの基礎知識を中心に出題されます。

合格率は、各年の累計で67.9%です。

・PMSプログラム試験

主催団体 特定非営利活動法人日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)
試験日程 年度中に3回ある試験期間内のいずれかの日
受験資格 PMC資格または指定の資格を保有していること
受験料金 2万2,550円(税込)
合格基準 正解率70%以上
公式サイト https://www.pmaj.or.jp/p2m/exam/pms_pg/top.html

PMSプログラム試験は、全50問の4択問題形式で、プロジェクトマネジメント・コーディネーター(PMC)資格試験よりも深い知識が問われます。

「指定の資格」には、先述したプロジェクトマネージャ試験の資格も含まれます。合格率は、各年の累計で65.0%です。

・プロジェクトマネジメント・スペシャリスト(PMS)資格試験

主催団体 特定非営利活動法人日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)
試験日程 年度中に3回ある試験期間内のいずれかの日
受験資格 特になし
受験料金 3万9,270円(税込)
合格基準 正解率70%以上
公式サイト https://www.pmaj.or.jp/p2m/exam/pms/top.html

プロジェクトマネジメント・スペシャリスト(PMS)資格試験は、全100問の4択問題形式で、幅広い知識を満遍なく問われます。

合格率は、各年の累計で48.9%です。

プログラムマネジャー・レジスタード(PMR)資格試験

主催団体 特定非営利活動法人日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)
試験日程 年度中に3回ある試験期間内のいずれかの日
受験資格 PMS資格を保有していること
プログラム・プロジェクトの実務経験が3年以上あること
受験料金 22万円(税込)
合格基準 非公表
公式サイト https://www.pmaj.or.jp/p2m/exam/pmr/top.html

現時点で実施されているP2M資格試験のなかで最も難易度が高いのが、プログラムマネジャー・レジスタード(PMR)資格試験です。1次試験では論文や面談、2次試験では論文や面談、ワークショップと、いずれも実践力が試されます。

一定の知識や経験がある方しか受験できないため、合格率は比較的高く、各年の累計で77.8%です。

プロジェクト管理認定アソシエイト(CAPM)

主催団体 プロジェクトマネジメント協会(PMI)
試験日程 随時
受験資格 高卒以上であること
23時間の公式研修を修了していること
受験料金 会員初回225ドル
一般初回300ドル
合格基準 非公表
公式サイト https://www.pmi-japan.org/pmp_license/capm/

プロジェクト管理認定アソシエイトは、プロジェクトマネジメントの基礎と概念に関する適性を測る試験です。

試験は全150問ありますが、難易度は低めなことから、学習初心者にも向いているでしょう。具体的には、プロジェクトのチームメンバーや新人のプロジェクトマネージャー、大学生などが対象とされています。

プロジェクト管理認定アソシエイトの試験に合格することが、次章で紹介する「プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル」の受験資格にもつながります。

プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP)

主催団体 プロジェクトマネジメント協会(PMI)
試験日程 随時
受験資格 一定の学歴と職歴(プロジェクトマネジメント経験)を満たしていること
合計35時間の公式研修を修了していること(※)
(※プロジェクト管理認定アソシエイトの資格保有者は免除)
受験料金 会員初回405ドル
一般初回575ドル
合格基準 非公表
公式サイト https://www.pmi-japan.org/pmp_license/pmp/

プロジェクトマネジメント・プロフェッショナルは、プロジェクトマネジメントに関する知識や経験を測る国際資格です。試験は全180問(うち5問は予備問題)で、人・プロセス・ビジネス環境の3領域から構成されています。

受験資格として、学歴に応じて満たすべきプロジェクトマネジメント経験が細かく定められており、それだけ難易度も高いといえるでしょう。

CCNA

主催団体 シスコシステムズ合同会社
試験日程 随時
受験資格 特になし
受験料金 4万6,860円(税込)
合格基準 非公表
公式サイト https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/certifications/associate/ccna.html

CCNA(Cisco Certified Network Associate)は、大手IT機器ベンダーのシスコシステムズ合同会社が認定する、世界共通資格です。ネットワーク全般に関する知識やスキルの証明になります。

試験内容は、プロジェクトマネジメントに直結する内容ではありませんが、特に技術系のプロジェクトでは欠かせない知識といえます。エンジニア系資格のなかでは、難易度が特別高いわけではありません。

LPIC

主催団体 Linux Professional Institute
試験日程 随時
受験資格 LPIC-1:特になし
LPIC-2:LPIC-1の資格保有
LPIC-3:LPIC-2の資格保有
受験料金 1万6,500円(税込)
合格基準 非公表
公式サイト https://www.lpi.org/ja/

LPIC(Linux Professional Institute Certification)は、オープンソースのOS「Linux」に関するスキルを認定するものです。CCNAと同様に、世界共通のエンジニア系資格に分類されます。

LPICには、レベルが低いものから順に以下の3つの資格があり、下位資格を取得することで、上位資格を受験できるのが特徴です。

● LPIC-1
● LPIC-2
● LPIC-3

また、LPIC-3はさらに以下の4種類に分かれ、いずれか一つに合格すれば認定されます。

● LPIC-3 Mixed Environments
● LPIC-3 Security
● LPIC-3 Virtualization and Containerization
● LPIC-3 High Availability and Storage Clusters

自分に必要なPMO資格の見極め方

前章で紹介したとおり、PMOの仕事に役立つ資格は数多く存在します。どの資格の取得に向けて勉強すればよいか、迷ってしまうかもしれません。

ここでは、取得する資格を選ぶ際のポイントを、大きく2つに分けて解説します。

受験目的・キャリアプラン

「資格を取得すること」が目的になってしまうと、取得すべき資格の優先順位を正しく付けられず、本当に必要な資格を得るまでに時間がかかる可能性があります。

また、資格取得には以下のようなコストがかかり、金銭的な負担も少なくありません。

● 勉強のための教材費(過去問題集やガイドブックなど)
● 受験資格を得るための講座の受講料
● 試験そのものの受験料(初回受験料や再受験料)

必要最低限の時間・コストで適切な資格を取得するためには、まずは自身のキャリアプランを考慮し、資格を取得する目的を明確にすることが大切です。

例えば、いずれフリーランスとして独立することを考えているなら、案件獲得につながる比較的難易度の高い資格取得を目指す必要があるでしょう。

難易度

前項のとおり、受験目的やキャリアプランと照らし合わせ、理想の資格を見つけることは重要です。

ただし、合格の見込みが低い資格試験にいきなり挑戦するのは、現実的ではありません。自分の実績やスキルと試験の難易度が合っていないと、モチベーションの低下にもつながるでしょう。

そのため、資格を取得する目的は忘れないようにしつつ、徐々に難易度の高い資格に挑戦し、合格の成功体験を重ねていくのがおすすめです。

まとめ

今回紹介した、PMO業務におすすめの資格は、以下の12種類です。

1. プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格(NPMO認定PJM-A)
2. PMOスペシャリスト(★)認定資格
3. PMOスペシャリスト(★★)認定資格
4. プロジェクトマネージャ試験
5. プロジェクトマネジメント・コーディネーター(PMC)資格試験
6. PMSプログラム試験
7. プロジェクトマネジメント・スペシャリスト(PMS)資格試験
8. プログラムマネジャー・レジスタード(PMR)資格試験
9. プロジェクト管理認定アソシエイト (CAPM)
10. プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP)
11. CCNA
12. LPIC

それぞれ受験資格や難易度といった特徴が異なるため、キャリアプランなどから自分に必要な資格を見極めることが大切です。適切な資格を取得すれば、PMOとしてのスキルアップやスムーズな就職・転職、好条件の案件獲得につながるでしょう。

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