PMO(PMOコンサルタント)を目指すにあたり、気になるのが年収事情です。
PMOへの転職を検討している方のなかには、現在の自分の収入と比べて、PMOの年収は高いのか知りたい方もいるのではないでしょうか。
この記事では、PMOの仕事内容を簡単に紹介したうえで、年収の目安や今後の展望、年収を高めるためのポイントなどを解説していきます。すでにPMOとして働いている方も含め、ぜひ参考にしてください。
目次
- PMOの職種と仕事内容
- PMOの年収の目安
- PMOの年収が高い理由と今後の展望
- PMOが年収をさらに上げるためには「スキル磨き」が重要
- PMOの年収アップにおすすめの資格3選
- 年収アップを狙うならフリーランスとして独立する選択肢もある
- PMOのハイクラス案件を探すならフリーエージェントの「プロフェッショナルハブ」
- まとめ
PMOの職種と仕事内容
一般社団法人日本PMO協会によれば、PMOは役割に応じて以下の3つの職種に分類されます。
• PMOエキスパート
• PMOマネージャー
• PMOアドミニストレーター
ここでは、職種ごとの仕事内容を簡単に紹介します。なお、PMOの職種ごとの特徴や仕事内容をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を併せて参考にしてください。
◇PMOエキスパート
PMOエキスパートには、プロジェクト環境を整えたり、ルールを策定・改善・標準化したりする役割があります。ツールの開発を担うこともあることから、エンジニアとしての開発経験も必要です。
そのほか、プロジェクトマネジメント教育による人材開発も、PMOエキスパートの役割です。
◇PMOマネージャー
PMOマネージャーの役割は、PMOの統括役として、PMOそのものをマネジメントすることです。PMOに参画するメンバーが多い場合や、複数のPMOが遂行されている場合に配置される傾向にあります。
経営層とPM(プロジェクト・マネージャー)の間を取り持つ機会も多いため、豊富な経験やスキルが求められるでしょう。
◇PMOアドミニストレーター
PMOアドミニストレーターは、資料の作成やスケジュール管理など、プロジェクトの事務担当者としての役割を担います。PMOアドミニストレーターが適切に機能することで、プロジェクトに関する社内プロセスが円滑に進むでしょう。
PMOの年収の目安
PMOとして働く場合の年収は、雇用形態や仕事内容などにより大きな差があります。
ここでは、PMOの働き方を3つのパターンに分けて、年収の目安を見てみましょう。
◇事業会社のPMOの場合
事業会社の正社員として働く場合、PMOの年収の目安は600~800万円程度です。
国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によれば、日本人の正社員の平均給与は523万円です。この調査結果と比較すると、事業会社のPMOの年収は、平均よりも高い水準だといえます。
◇コンサルティングファームのPMOの場合
コンサルティングファームの正社員として働く場合、PMOの年収の目安は800~1,800万円程度です。
会社員という立場は事業会社のPMOと同様であるものの、コンサルティングファームのPMOのほうが、一般的には年収が高い傾向にあります。
◇フリーランスのPMOの場合
フリーランスとして働く場合、PMOの年収はおもにスキルや実績によって異なります。スキルや実績によって、受注できる案件の内容や単価が変わるためです。
業務に関するスキルレベルが高く、経験年数も長い方なら、重要度や難易度の高いプロジェクトに携わる機会が増え、結果的に年収が上昇します。また、フリーランスのPMOの年収を考えるうえでは、「自分の価値をアピールして好条件を引き出すスキル」も重要なポイントです。
こうしたスキルや実績を兼ね備えている方は、年収が2,000万円を超えることもあるでしょう。
なお、プロジェクト1件当たりの報酬で考えても、会社員よりもフリーランスのPMOのほうが高い傾向です。
PMOの年収が高い理由と今後の展望
前章「PMOの年収の目安」で紹介したとおり、事業会社のPMO・コンサルティングファームのPMO・フリーランスのPMOのいずれも年収は高めです。PMOの年収が高いのは、「残業が多いから」などといった単純な理由ではありません。
ここでは、PMOの年収が高い理由として考えられる背景や、今後の展望を解説します。
◇PMOが高収入なのは「需要が高いため」
PMOの年収が高いのは、PMOの需要に対する人材供給が追いついていないためです。
近年では、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や、クラウド化・IoT・AIなどの普及により、複雑かつ大規模なプロジェクトが増えています。そのため、高度なプロジェクトを適切に管理できるIT人材が求められています。
しかし、国によれば、IT人材の不足は2018年から深刻化している状態です。PMOはITプロジェクトでも活躍できるため、企業からの需要が高い傾向が続いています。
◇PMOは今後も必要とされる見込み
2030年には、約45万人のIT人材が不足するといわれており、国も対策を取っています。とはいえ、これだけの人材不足を短期間で解消することは困難です。したがって、PMOへのニーズは今後も高い状態が続くと考えられるでしょう。
また、PMOアドミニストレーターのように、事務的役割のみを担う人材なら比較的確保しやすいかもしれません。一方で、PMOエキスパートやPMOマネージャーのように、高度なスキルを備えた人材は貴重です。貴重な存在となれば、年収も上がりやすくなります。
PMOが年収をさらに上げるためには「スキル磨き」が重要
PMOが年収をさらに上げるためには、スキルを磨くことが大切です。
PMOとしてのスキルが高まれば、企業内でのキャリアアップや高単価案件の獲得につながり、年収が高まるでしょう。また、業務内容は同じでも、より年収が高い企業へ転職することも目指せます。
ここでは、年収アップにつながる、PMOが磨くべきスキルの例を紹介します。なお、PMOに求められるスキルについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
PMOに必要なスキル7選!職種別のスキルセットやキャリアプランも紹介
◇マネジメントスキル
PMOの重要な役割はマネジメントにあり、スケジュールや予算、人員、リスクといったあらゆるものの管理が必要なポジションです。
よって、プロジェクトマネジメントだけでなく、スケジュールマネジメントやコストマネジメントなど、さまざまなマネジメントスキルが求められます。幅広く高度なマネジメントスキルがあれば、プロジェクトを効率良く成功に導けるでしょう。
◇問題解決スキル
プロジェクトは、予期せぬ問題の発生により、当初の計画やスケジュールどおりに進行しないことが多々あります。問題に直面した際に、いかに迅速・的確に処理できるかが、PMOの腕の見せどころです。
また、表面化している問題だけでなく、表面化していない問題や本質的な問題も先回りして見つけ、解決するスキルが求められます。特に、本質的な問題の解決は、同じようなトラブルを何度も繰り返さないために重要です。
◇IT関連のスキル
PMOはITプロジェクトに参画することも多いため、IT関連のスキルや業界知識があると、メンバーに適切なアドバイスをしやすいでしょう。
プロジェクトの円滑な進行やメンバーからの信頼獲得につながり、PMOとしての高い評価につながります。
◇PMOとしてのスキルを磨くには?
本章で紹介したようなスキルをどのように磨けば良いのか、悩む方もいるかもしれません。PMOがスキルを磨く方法は、大きく分けて以下の2です。
• PMOとしての経験を積む
• PMOの関連資格を取得する
なお、関連資格を取得するための勉強そのものも、スキルアップにつながります。
PMOの年収アップにおすすめの資格3選
ここでは、年収アップを目指す方が取得しておきたい、おすすめの資格を3つ紹介します。
なお、以下の記事では、本章で紹介するものを含め合計12種類の資格を紹介しています。併せてご覧ください。
◇PMOスペシャリスト認定資格
PMOスペシャリスト認定資格は、一般社団法人日本PMO協会(NPMO)が運営する資格試験です。
PMOスペシャリスト(★)、PMOスペシャリスト(★★)、PMOスペシャリスト(★★★)の3つのランクがあります。ただし、PMOスペシャリスト(★★★)認定資格は策定中であり、実際の試験はまだ始まっていません。
年収アップを目指すなら、PMOスペシャリスト(★★)認定資格を取得するのがおすすめです。受験資格の一つに「PMOスペシャリスト(★)認定資格を保有していること」があるため、PMOスペシャリスト(★)、PMOスペシャリスト(★★)の順に受験していくことになります。
PMOスペシャリスト(★★)認定資格は記述式の試験で、合格基準は100点満点中70点以上です。合格率は44%と公表されており、合格すれば、PMOマネージャーとして必要な知識やスキルを証明できるでしょう。
◇プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験は、IT系国家資格試験「情報処理技術者試験」の区分の一つで、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が試験を運営しています。試験は年1回、10月に開催予定で、午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱの4部構成で実施されるのが特徴です。
合格基準は、午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰが「100点満点中60点以上」、午後Ⅱが「Aランク」とされています。
合格率は例年13~15%程度で、難易度は高いでしょう。しかし、難易度が高いからこそ、合格すれば一目置かれる資格といえます。
◇プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP)
プロジェクトマネジメント・プロフェッショナルは、プロジェクトマネジメントに関する知識や経験を測る国際資格です。プロジェクトマネジメント協会(PMI)が試験を運営しています。
受験資格の一つとして、一定の学歴と、学歴に応じたプロジェクトマネジメント経験が求められます。したがって、受験することそのものが、ハードルが高い試験です。
試験問題は、人材・プロセス・ビジネス環境の3領域から構成されており、合格基準は公表されていません。
年収アップを狙うならフリーランスとして独立する選択肢もある
PMOが年収アップを狙うなら、企業内でのキャリアアップや別の企業への転職を目指すほか、フリーランスとして独立し、高単価案件に携わるという選択肢もあります。
企業内でのキャリアアップと比べて、フリーランスとしての独立は、早期に年収を高めやすいのがメリットです。ただし、クライアントが望むスキルや実績がなければ、案件は受注できません。
ここまで説明したとおり、やはりスキルを磨くことは重要になります。また、営業活動やクライアントとの交渉、契約手続きなども、すべて自分で行なわなければならない点に注意が必要です。
フリーランスのPMOになるメリット・デメリットなどについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。
◇実際のフリーランス案件の事例と単価
具体的なイメージを持てるよう、実際のフリーランス案件の事例を見てみましょう。
ここでは、フリーランスのマッチングエージェント「プロフェッショナルハブ(Professional Hub)」でご紹介したことのあるPMO案件の例を、2つ取り上げます。なお、プロフェッショナルハブについては、次章で詳しく紹介します。
・ネットワーク構築案件における案件管理支援
報酬 | 月額70~90万円(スキルによって変動) |
勤務形態 | 一部リモート型(都内出社あり) |
人材要件 | • ネットワーク構築案件での要件定義や設計経験 • リーダー経験 |
案件内容 | エンドクライアントのネットワーク開通や移転にともなうネットワークルーティング変更などの受付・管理を担う。課題が発生した際には、整理・可視化も行なう。 |
・SCMシステム構築における要件定義支援
報酬 | 月額70~90万円/月(スキルによって変動、応相談) |
勤務形態 | 一部リモート型(東京23区内出社あり) |
人材要件 | • SAP SCM(在庫管理)に関する知見 • SAPトレーニング経験 • 英語ビジネスレベル |
案件内容 | アパレル業界(メーカー)において、SCMシステム構築に関する要件整理の支援や、社内外ステークホルダーとの調整、開発工数の見積もりを担う。 |
現在公開中の案件情報は、こちらのページからご確認ください。
また、以下の記事では、フリーランスのPMO案件の単価相場などを紹介しています。
PMOのハイクラス案件を探すならフリーエージェントの「プロフェッショナルハブ」
フリーランスのPMOとして案件に参画したい方は、フリーランスのマッチングエージェント「プロフェッショナルハブ(Professional Hub)」を活用してはいかがでしょうか。
プロフェッショナルハブは、大手事業会社やコンサルティングファーム、SIerから直に依頼される、月額120万円以上のハイクラス案件も豊富に取り扱っています。面談時に伺う希望や展望を踏まえ、一人ひとりに適した案件をご紹介可能です。
また、稼働前の条件交渉やスコープの調整・管理、キャリアアップ・スキルアップの相談など、専属担当者による充実したサポートを受けられるのも特徴です。フリーランスとして働くことに不安がある方でも、安心して活躍できます。
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まとめ
PMOの年収の目安は、以下のとおりです。
• 事業会社のPMOの場合:600~800万円程度
• コンサルティングファームのPMOの場合:800~1,800万円程度
• フリーランスのPMOの場合:スキルや実績などにより異なる
フリーランスのPMOの場合は、年収が2,000万円を超えるケースも珍しくありません。PMOの需要の高さは今後も続くと見込まれるため、年収も高い状態が続くでしょう。
さらに年収を上げるためには、PMOとしての経験を積んだり、関連資格を取得したりして、スキルを磨くことが大切です。また、企業内でのキャリアアップや転職を目指すほか、フリーランスとして独立することも、年収アップへの近道といえるでしょう。
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